ターコイズの世界は奥が深い。
実際のところ自分などが語れることなど無いに等しいが、
無知を承知で専門誌を参照しつつ、
少しばかりターコイズ、インディアン・ジュエリーに関するウンチクを記してみる。


インディアン・ジュエリーには

オーセンティックとそうでない物がある。
「オーセンティック・インディアン・ジュエリー」とは、
インディアン、ネイティブ・アメリカンの手によって作られたもの。

アンティークとそうでない物がある。
どの位の年代からの物をアンティークと呼ぶのか・・・。
アメリカの、とあるトレーディング・ショップでは、
制作から50年以上経った物をアンティークと定めている。
が、実際その線引きは難しく、広く共通とされる基準は今のところ無いらしい。

コンテンポラリーとオールドと呼ばれるスタイルがある。
コンテンポラリー・スタイルは現代的な手法と感覚を用いて、
多様な色の石や素材を元に作られた、形や色使いが斬新な作品。と思われる。

オールド・スタイルは名のとおり、昔ながらの手法を用いて、
偉大な先人が残したアンティークに、より近付こうする姿勢から生まれる作品。と思われる。
若しくはアンティークそのものを言う。

また、ツーリストとトラディショナルと呼ばれるスタイルがある。
ツーリスト・スタイルとは一言で言えば「お土産品」。
観光客相手用品。生活の為に作られる品物。

トラディショナル・スタイルは、正にスピリットの宿った品。
主に自分のお守りとして、また一族の儀式に用いる装飾品として。
または「見知らぬ何処かの誰かの為」に「精魂を込めて」作られた作品。

採掘される鉱山によって色や模様(マトリックス)の入り方が異なり、
採れた鉱山の名で分類される。
所持している石の産出元を例にあげると・・・

・アリゾナ州 ビズビー
 青い色が濃く、茶や黒のマトリックスが入る。

・アリゾナ州 モレンシまたはモレンチ
 青〜水色の石に黄鉄鉱・パイライトの金や黄、茶のマトリックスが入る。

・ネバダ州 ランダー ブルー
 濃い青に黒、茶のきめ細かな網目模様のマトリックスが入る。

・ネバダ州 ストーミー マウンテン
 薄い青色に染みのような黒いマトリックスが入る。

・ネバダ州 ペイユートまたはパウイテ
 青の色は明るいものから暗いものまで幅広く、
 黒や茶、赤やオレンジのマトリックスが入る。

そのほか、有名な鉱山・ターコイズでは

・ネバダ州 ナンバー8
 水色から薄緑の石に茶や金のマトリックスが入る。

・ネバダ州 パイロット マウンテン
 石の色は薄い青から深い緑まで幅広く、黒か茶色のマトリックスが入る。

・ネバダ州 インディアン マウンテン
 ネバダブルーとも呼ばれ、青の濃さは様々。
 黒、茶の細かなマトリックスが入る。

ネバダ州とアリゾナ州だけで、おおよそ25もの鉱山・ターコイズの種類がある。
ニューメキシコ州とコロラド州の鉱山を合わせれば、33以上の種類となる。
米国以外では中国、イラン、ペールーやチリ、メキシコでも産出される。

これら、鉱山・ターコイズの種類によって当然価値が変わってくる。
しかし、有名な鉱山のロウ・グレードの石より、そうでない鉱山・ターコイズ
のハイ・グレードな石のほうが高価であったりする。
作品とされる以前、石としてのターコイズの価値規準は、産地はもちろんだが
それよりも、珍しい模様・色合などによって、大きく左右されるようだ。

「ネームバリューの強さ」はターコイズの世界にも当然あり、
見た目のよい中国産のターコイズを安値で仕入れ、
それを米産・某鉱山産として高値で売るなど、当たり前のように行われている模様。
また、同じ米産でも他の鉱山から採れた、マトリックスの入り方が細かい石を、
希少性の高いランダー ブルーだと偽って流通させる業者やバイヤーもいるらしい。

日本のターコイズ市場は実際酷いもので、
当たり前のように偽物が「天然ターコイズ」として店先に並んでいる。

潟潤[ルドフォトプレス刊の
「ターコイズ 大地の贈り物インディアン ジュエリー」によると、
ターコイズは・・・

・ナチュラルまたはノートリートメント
 採掘された状態からカットされただけのもの。
 
・エンハンスト
 硬度を上げる加工を施したもの。

・スタビライズド(着色なし)
 透明な樹脂を染み込ませて硬度を上げたもの。
 ニューメキシコ州とアリゾナ州によってはナチュラルとされる。

・スタビライズド(着色あり)
 青い染料を含む樹脂を染み込ませたもの。

・リコンスティテュテド
 粉状のターコイズを樹脂で固めたもの。

・イミテーション
 プラスチックやガラスなどの模造品。

と、分類されている。
本物のターコイズと呼べる「ナチュラル」は、市場の一割ほどしか出回っていないという。
中国産が半数を占めるというから、残りは全くの「バッタもん」と考えられる。

ターコイズのアクセサリーを買う場合は、産地とディーラー、作者等、
しっかりとその作品を理解している・「信用できるショップ」をまず選ぶことが大事だと思われる。

恵まれていることに、自分の場合は「本物のターコイズ」との出会いが、
「信用できるショップ」であったため、以来殆どそのショップでしか購入していない。
他のショップで買う場合でも、採れた鉱山と作者名は最低でも尋ねるし、
また店員がターコイズのことを、どの程度理解しているかどうかも、
買う・買わないの規準としている。

実際、何も分からなかった頃は中国産のスタビライズされた物を、
ナチュラルで、しかもアンティークだとセールストークされ、そんな品に¥ン萬出したこともある。

・・・まあ、いろいろあり、ローンなんかもあり(笑)、こうして趣味として収集している訳だが、
まだまだ奥の深い世界だ。いつかは「アンティークの誰々作のナニナニ鉱山の〜」と、
夢見たりするが、それよりなにより、実際にその作品を手にとって、ジックリと見て、
ピンときたか、もしくはガーン!ときたら、それが「一番の石」だと信じている。
そして、そんな作品には、やはりそれなりの値段がついているもので。
・・・しかし、べらんめぇ。ピンとかガーン!ときたら自分はもう、てやんでぃ・・・。
その時点で、既にローンの返済回数を考えている(笑)。
陳腐な言い方だが、「ターコイズの魔力」にとり憑かれています。はい。
いつも行くそのショップには、買おうと目を付けているターコイズがもう二三点。
まあ、まだまだ自分のコレクションなんて可愛いもので・・・。

いつまでこうしてターコイズを集めていくのか、分からないけれど、
いつの日か子供ができて、その子に集めた全てのターコイズを
プレゼントできる日が来たらいいなあ・・・と、想う。
くれぐれも借金だけはプレゼントしないようにね・・・と、落としてみる。


  以上







トーシロのカタリ
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